2024年9月26日、石破茂氏が自民党総裁に選出されました。普段は政治への口出しはタブーと考えていますが、今回ばかりはドル/円が142円まで円高に押し戻されたこともあり、経済と直結しているためコメントさせてもらいます。
まずは賛否両論ありますが、素直な実績について分析します。
石破氏は長い政治経験を持ち、防衛政策や地方創生に力を入れてきました。特に防衛大臣としての経験があり、日本の安全保障について強い主張を持っています。
また、地方の経済振興を重視し地方と都市の格差是正に力を入れてきた点でも評価されています。
しかし一方で、石破氏の政治姿勢としては党内でも独自した立場をとり、他の党派と衝突する場面も多く、特に安倍晋三元首相と異なる路線を取ってきたため孤立も目立ちました。
防衛分野での貢献、地方経済の発展といった功績も大きいですが、党内での孤立や一部政策の支持が得られなかったことの課題は大きいものがあります。
ただ、石破氏は大きなスキャンダルや不祥事がありません。政治とカネの悪事に埋め尽くされた自民党のイメージを一新するには、知名度が高くも清廉潔白な石破氏の他にはなかったのかもしれません。
さて、総じると誠実さと政策への真摯な姿勢が評価されており、明確な不正行為や汚職の報道がない石破氏。彼が次期日本の総理大臣になる場合の、世界の反応はどのようなものでしょうか?
一部の専門家では、石破氏の防衛に対する強い姿勢が注目されています。特に石破氏が提唱した「アジア版NATO」の構想は中国に対する抑止力として評価されている一方で、アメリカを含む他の国々は慎重な立場を取っています。
また、台湾問題を日本の安全保障と結びつける発言をしており、台湾との関係強化を志向することが見込まれています。
これらは中国との緊張関係が懸念されるところですが、意外にも自衛に力を入れていた石破氏は靖国神社を訪れていません。その点では多少の和解の可能性も指摘されています。
ところで経済の話に進みますと、石破氏が総裁に確定したと同時に日経平均が2500円も下がりました。
その理由は、石破氏の「政策への不安」と「不透明感」に集約されます。石破氏は、これまでの安倍晋三元首相の強力な経済・外交政策から一歩距離を置いたスタンスを取っており、特に金融政策や経済の再構築において不透明感が漂っているのです。
為替ではドル/円が約3円急騰し、株式市場では輸出企業を中心に大きな売りが発生しました。石破氏の政策はマーケットが期待していた成長戦略や金融緩和に対する後ろ向きな姿勢と捉えられ、特に企業の利益率に悪影響を与える懸念が強まったことから、日経平均が急落したのです。
さて、事実はそんなところですが、最後に私個人の感想。もし自民党が高市氏で初の女性総裁を打ち出せば、もしかしたら新たな道が切り開けたと思いますが、これまでどおり政治基盤と実績だけで石破氏が選ばれたのですから、今後も自民党に変わる意志がないことが明白になりました。所詮は既得権を失いたくない老人の集まり。国民のために政治をするようになるとは到底思えません。
それは自民党に限らず、今の日本そのものを象徴しるように思われます。