1 アメリカとの関係
メキシコ中央銀行は、高金利政策を維持しています。そのためドルよりメキシコペソの金利が常に高く、ドルでペソを買って保有するペソ買い(ドル売り)をメインとするトレーダーがほとんどです。
そしてメキシコの最大の貿易相手国はアメリカ。アメリカの雇用統計やFRBの利上げ・利下げはメキシコ経済に直結します。アメリカ経済が好調だったり、利上げ観測が高まると、ペソ高(ドル安)につながります。
2 原油との関係
メキシコは世界有数の産油国です。原油価格の変動がメキシコの財政、輸出に大きく影響します。原油価格が上昇するとメキシコの収益が増えるため、ペソ高(ドル安)になります。
以上の2点が主な価格変動の要素です。つまりメキシコが儲かればペソ高になるということです。輸出製品である原油価格が上がり、輸出相手国のアメリカ経済が好調であることで、メキシコ経済が好調になると期待された時にペソ高となります。
ではそれを踏まえてポイント&フィギュアを見てみましょう。

ポイント&フィギュアには時間の概念がありませんので、シンプルに過去の価格推移のみを表しています。いつ、どのように推移したのかではなく、どのように推移したのかだけに着目して見れます。このチャートは2023年11月から描かれているので、約2年間の動きを示しています。
ドルに対して20ペソと安い水準を保っていた過去から一変してペソ高に移ってきていますが、これはメキシコ中央銀行がインフレ抑制のために政策金利を11.25%など高い水準に維持していた一方で、アメリカは利下げを強調していたため(2025年9月には実際に0.25%の政策金利引き下げを実施)メキシコとの金利差が広がる懸念が広がったことと、中国製品のサプライチェーンが危ぶまれ始めてから、企業が生産拠点をメキシコに移る「ニアショアリング(近隣生産)」が加速したためです。
トランプ氏が大統領になってからやたらとメキシコに対して国境管理の強化や移民送還受け入れ要求をしたり、追加関税を要求するなど厳しく当たっている理由も、メキシコ経済が堅実に活況づいていることの結果になります。
しかしトランプ氏の大統領令を受けてもペソ高が鈍化するわけでもなく、大きな影響は与えられていないのが現状です。
当面はアメリカFRBが利下げを示唆する度に、ペソに避難する投資家が増えることから、今後もペソ高は続くのではないでしょうか。