加藤財務相のけん制発言が市場で注目され、円買いが続いています。
加藤財務相が為替市場に対して「過度な動きには必要に応じて適切な措置を取る」という発言が含まれていることから、市場では日本政府や日銀が為替介入を行う可能性があると解釈され、投資家は円安に対するポジションを手じまう動きが出やすくなっています。
特に今はトランプ特需による投機的な円売りポジションが積み上がっているため、これを解消するための買戻しが促進され、円高方向に振れやすい状態。
日本が単独で為替介入を行うことは、協調介入が行われる場合はより大きなインパクトがあります。今年7月の為替介入だけでも160円から150円前半まで円高が進みました。まだ記憶に新しい今なので、余計に要人による口先介入だけでも円買いが進む可能性があります。
政府や財界が円安を抑えたいのは輸入コストの上昇を通じて国内の物価上昇を招き、国民生活に悪影響を与える可能性があるためです。
しかし本来であれば、いかに輸入に頼らず、国内供給を高めて物作り大国として海外輸出を優先させるかに焦点を当てるべきであり、それが実現すれば為替など関係ないはずなのです。できれば農工業、せめて農業。本当に国力を高めたいのなら、為替一つとっても国内生産、国内供給を目指していくべきだと分かる事例だと思います。